PDF入稿は誰のために[中篇:Acrobat購入断念〜。]

toshiroh2004-06-18

InDesignで書き出してプリフライトしても、それは印刷には適さない、PDFでの入稿は受け付けない、というのであれば、やはり、これからはPDF入稿になりそうだし、今だって校正やデータの検証用にPDFは便利に利用しているから、プリフライトだけでなく、PDFも編集できるツールなら1本くらい持っていてもいいのではなないかと、少々弱気にもなった。

たしかに、便利なツールのようだが*1、やはり買わないとだめなのかな?

そこで、校正を届けるのに出掛けたついでに、Acrobatを購入するかと思ってショップに寄って見てきたのだけど、記憶にあった3万円くらいで購入できるのはStandard(たぶん、InDesignでできること+αくらいの機能)で、例のプリフライトができるProfessionalは6万円弱でした。

店頭で立ち尽くして考えることしばし。
ここまでして、現時点でPDF入稿をする必要があるのかどうか疑問に思って、結局購入はやめた。やはり、この用途、この値段は印刷会社用ソフトではないだろうか?、と。

たしかに、この業界、Quarkという人の足下を見透かしたようなアプリケーションも存在するが。まあ、版元からあれを使って入稿しろと言われて、断り続けてきた経緯もあるし。結局、長芋のには(長いモノだな、笑)巻かれろというか...。まあ、あれはあれで使い始めると、それなりにいいソフトだったりする。それでも、あれはDTPする側のソフトだし。

問題のあったデータは修正して、それでも印刷会社がProfessionalでプリフライトしたデータでないと、入稿を受けないといわれたらどうしようかと思いましたが...。そうか、それならば、従来通りにInDesignで入稿すればいいんだと、当たり前のことに今になって気づいたりして(汗)。

実際のところ、PDF入稿のメリットが、どこにあるかといえば、実は印刷会社側にあるわけなので、今後DTPの入稿はPDFのみになったら、Professionalを税金代わりに購入するのもやぶさかではありませんが(所詮、DTPなんて長芋ですから...)、InDesignでも入稿できるのに、Professionalを購入してまでわざわざPDF入稿する必要があるのかは、はやり疑問だろう〜。

この業界、過去から未来永劫に出力依頼書をきちんと書かないと、出力できません、などと印刷側と制作側って、綱引きをやっているんですよね。だから、今回も正しいデータを作らなくていいってことではないが、プリフライトして直しが必要であれば制作側が直しますが、プリフライト(特定のツールが必要)されていないデータは印刷しないってことになったら、PDF入稿は普及しないと思う。するわけがない。

まあ、いろいろなユーザのデータを印刷しなければならない印刷会社がプリフライトしたデータを信頼するという気持ちはわかりますが(それが徹底できたら、今度は印刷の営業さんはますます要らなくなったりするし)。

まあ、技術的に最先端言っていると、ついつい新しもの好きでPDF入稿したくなったりするのが常で、ある意味ステータスであったり...。うーん、今気づいたけど、それは印刷会社と版元に乗せられたおれでしたけど、実際にはPDFで入稿すればきちんとした本になるわけでないし...。それよりも、このPDFだめだから作り直しとか、1文字直して1章分のPDFを作り直しなんてのも、実は時間の無駄だったのだ、汗。

それに、デザイナーさんなども含めて、僕らの間ではフォント埋め込みしたPDFで校正できるだけでもすごいメリットを感じているので、別に入稿は従来通りの方法でもかまわないのだな。結局、楽になるのは印刷会社なのです。

そういえば、塗り足しとかトンボとか、大昔のPostScriptではシングルトンボしか出力できない時期もあって、その是非があったりしたな。結局Adobeの設定でもいいっていう印刷会社とカスタマイズが必要な印刷会社があったり。
あと、CMYKで墨版が使われていても、結局、その墨版と特色版だけ出力できれば、それでいいのではないだろうか。見た目は同じなのだったら、印刷会社の判断はどうなのだろう?。

さて、とりあえず、できることはやるけど、本文に直しがなければ、あとはPDF、InDesignのどちらで入稿しても同じだなぁ、と思えたところで、やっとひと息。