PDF入稿は誰のために[前篇・「今のままでは印刷できない」といわれてしまった]

toshiroh2004-06-17

DTPならMac OS Xだが(笑)、PCから印刷したり、校正を届けるのにPDF*1を使っている。そこで、それなら、いっそPDFで入稿も〜。

ということで、印刷会社に印刷テストということで進行中の仕事のデータを送ったら、何やらめちゃくちゃな評価。印刷決勝戦の予選出場どころか、書類審査で落とされたという感じだ。

まあ、理由の1つには、これまで何冊も本を作っているという経験から、印刷なんてこんなもんって感じで作ったDTPデータがいけないらしい(汗)。
印刷会社にデータを検証されて、Illustratorで作成したマークやページのデザインや見出しなどにCMY成分が混じっていたとか。

うーん、たしかにこれは制作上のミスだ。

ただし、CMYKのK成分だけでもPDFやプリンタの印刷で表示されるので、見落としていましたし、InDesignから、特色印刷用に出力すれば、特色とCMYKのうちのK版だけが印刷されて(厳密には濃度は違いますが)、これまでこういうミスも許されていたようです。
ただし、PDFでは厳密なようなので、こんな結果になったのかな。

それと、トンボの塗り足しがない。足りないのでなく、ないと〜?
実は、「塗り足し」といわれて、ピンと来なかったが、トンボの設定とか裁ち落としの設定は、まあこれまで通りにInDesignでは設定してあるのだが、InDesignからの出力と違って、PDFで印刷する場合は、PDFの設定になる。
実際には、カラーバーもトンボそのものも要らないと言われたが、それならトンボなしのPDF設定ファイルを使えば、トンボなしにも、カラーバーにもなしにできます。そういうAdobeの設定ファイルが用意されているので。

でも、初めてのPDF入稿で、Adobe謹製のPDF設定ファイルを、畏れ多くもカスタマイズしてもいいのかしら? 笑

さて、実は一番の問題がここ。「プリフライト検証がされていない...」と。

プリフライト*2検証とは、印刷前の事前チェックなのだが、DTP段階でInDesignのプリフライト検証は行ってある、パッケージ作業(文書に必要な画像やフォントを収集する)の前処理でも行われている。そこで問題があると、パッケージ作業が止まるので、一応テストデータでも、入稿前にInDesignのプリフライト検証は行われている。

ただし、どうも話がおかしい。
どうやら、印刷会社のいうプリフライトは、Acrobat Professionalで行う作業を指しているらしい。
今後、PDF入稿をする場合には、必ずAcrobat Professionalをしなければならないらしいのだが。
Acrobat Professionalは、InDesignに付属して来るわけでなく、別途購入しないと使えないソフトだ。おいおい、そこまでしてPDF入稿をする必要があるのか?

別にプリフライトできるのは、Acrobat Professionalだけでなく、こんなのもあるし*3。今度出るMac OS X版Quarkだって、サードパーティ製のプラグインで対応しているが、それらの行うプリフライトって、みんな印刷会社に拒否されてしまうのかしら?

とりあえず、印刷会社に「今のままでは印刷できない」といわれてしまった、うちのデータ、何を解消すれば可能になるのでしょうかね。