ビデオカメラの現在、そして未来

http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0501/24/news033.html

DVカメラの行き詰った状況は、別の見方をすれば、次世代ビデオカメラへの転換待ちということにもつながってくるだろう。もっとも身近な次世代カメラと
して、DVDビデオカメラの可能性を考えてみたい。

HDVの特徴は、良くも悪くも記録メディアがDVテープであるという点である。新メディアのライセンサーとしてのうまみを知り尽くしているソニーにして
は、従来メディアを使うHDVフォーマットにそのまま乗ってきたのは意外だったが、ユーザーにとってはカメラ本体さえ安くなれば、抵抗感は少ない。普及
に時間はかからないだろう。
つまり映像ベースでビデオカメラの流れを見ていくと、SD 4:3 → SD 16:9 → HD
16:9となっていくのは必然で、DVカメラやDVDビデオカメラでのWide撮影は、大きな流れの中では過渡期であるという見方もできる。すでにSD
4:3のエリアでは、デジタルカメラのムービー機能が台頭して来ている。ビデオカメラ業界としては、動画専門ハードとして少しでも上に逃げておく必要が
あるわけだ。
そしてソニーは、過渡期も含めた全分野で、現在のところトップシェアを独走していることになる。
その点パナソニックは、メディアにしても映像フォーマットにしても、思い切った割り切りの戦略を取っている。
(中略)
だが同社がDVDビデオカメラを自社開発しておらず、日立のOEMで賄っている点や、HDV規格賛同メーカーに名を連ねていないことを考えると、過渡期
の開発をばっさり捨てて一気にメモリーベースのHD収録へ展開しようという動きが見えてくる。
(中略)
メモリーカードでHD解像度の映像を記録するという下地も、すでに堅め始めている。昨年10月から市場に出始めた、高速SDメモリーカード「PRO
HIGH SPEEDシリーズ」がそれだ。従来の2倍となる20Mバイト/秒の転送速度というから、bpsに直せば約160Mbpsとなる。
HDVおよびDVフォーマットの転送レートが25Mbpsであることを考えると、それほど高圧縮せず50MbpsぐらいのMPEG-2でも余裕で対応で
きることになる。また記録メディアに駆動部分がないことから、カメラ設計はかなり楽になるはずだ。あとはレンズやCCDなど、光学系の開発次第となる。
HDVグループが手がけていない線として、720pと1080iの1台両対応を狙ってくる可能性は高い。