PC中心時代の終焉が始まる

http://japan.cnet.com/column/mori/story/0,2000050579,20079728,00.htm

昨今話題になることが多い「モジュール化」という概念を最初に実践したPCという製品を確立したIBMの功績は偉大だ。そして、Wintelにその指導的な立場を奪われたとはいえ、さまざまなイノベーションを投入しそのブランドを25年にわたって支えてきたのも、IBMという基礎体力を有した企業だからだろう。しかし、そのIBMが「わが子」を、単純な部門売却ではないとはいえども、里子に出すことを決意したのだ。

PowerPCのテクノロジーをベースに、ソニー東芝と共同開発している次世代アーキテクチャを有したCELLチップだ。CELLは、サーバとPCを飛び越した各種アプライアンスが物理的ネットワークを介して直接的に協働することが可能な、まさしく次世代製品となる予定であり、すでにワークステーションでの試験稼働が開始されているという。そして、CELLは来年にはソニー・コンピューターエンタテインメントの次世代ゲーム機PS3に搭載され、世界中に数千万という規模で広がっていくことが約束されたチップでもある。ただ、PS3という名称はPS/2の撤退を経験したIBMにとっては皮肉になるのかもしれないが。