BD対HD DVD戦争に着地点はない?

http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0412/20/news007.html

このタイミングでのディスニーの支持表明には、おそらくBD陣営から巨額の金が動き、大幅な条件の譲歩が行なわれたことだろう。その条件とは、「BD以外の規格を同時採用しても構わない」というものだ。ちゃっかりBD推進団体の役員企業にまで収まったが、退路はちゃんと確保してあるところがいかにもディスニーらしい。

もともとBD陣営企業のほとんどは、HD DVDを推進するDVDフォーラムにも加盟しているという複雑な事情がある。どちらかの陣営に着いて心中するよりも、「両方やっときゃ、どっちに転んでも損はない」ということである。製造メーカーとしてこの選択はあまりにも正しすぎて、むしろわれわれの目には節操なく映る。そしてこの方法論がROMメディアの正式リリース前に飛び出したことで、次世代メディアの一本化という線は完全になくなったと思っていい。

BDもHD DVDも、ROMメディアがそのまま出てくるようであれば、結局そのツケはユーザーが払うことになる。もうこんなことを今さら書くのもアホらしいのだが、われわれが見たいのはメディアではなく、コンテンツなのだ。このままでは見たい映画ごとに違う種類のメディアを買うハメになる。だが再生するのは、おそらく1台のコンパチブルプレーヤーだ。単に流通メディアが分かれているだけ、という事実は、ユーザー不在以外の何ものでもない。