「Intelの大画面TV市場参入は“夢”に終わるか?

http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0409/22/news030.html

「これで日本製の高いリアプロジェクションテレビを買わなくて済む。Intelがデバイスを作り、基本コンポーネントの技術をベンダーに提供するだけでいい。そこそこの画質でHD対応ならば、ブランドがDellで誰も文句を言わない。いや、われわれは米国人なのだから、価格が安くて品質に問題がないなら、それが例え中国製であったとしても、ナショナルブランドのバッジが付いた製品を買うに決まっているだろう」
そう話したのは、2004 International CESにやってきていた米国人記者だった。9.11事件以降、かつてないほどに高まっている米国人の愛国心が背景にあることは、もちろん考慮しなければならない。また、そのような発言が盛り上がったのは、“IT系の記者の間でだけ”だけという事実もある。
(中略)
消費者の視点から見ると、Intelモデルは製品の品質レベルが底上げされ、市場価格も下がるため歓迎だ、という意見もあるだろう。しかし、そうした底上げが短期間に何度も行われていくと、技術開発で先行するベンダーは、そのノウハウを生み出していくためのコストを回収できないまま、低価格製品に市場を奪われる。つまり、Intelモデルが行き過ぎると、先行技術を開発しようという意欲自体が下がってしまう。これはIntelモデルを実行する上での最悪のシナリオだ。業界にとっても、消費者にとっても、良いことではない。