IP放送が抱える二つの“壁”

http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0409/10/news020.html

電気通信役務利用放送事業者には、放送サービスを提供するに当たって、「映像配信」と「IP通信」を切り分ける者と、そうでない者の二つに大きく分けられる。
(中略)
なぜ彼らがそうしたスタンスを採るのかと言えば、その大きな理由の一つとして、放送と通信の著作権処理方法の違いがある。“放送”の場合には「ブランケット方式」という包括的な権利処理が認められているのに対して、“通信”の場合は、あくまでも一つ一つ個別に処理していく必要があるからである。IP方式の場合、通信扱いになるため、IP放送では、ブランケット処理ができないのである。
もう一つの大きな問題は、IP放送には安定性に不安が残っているという点だ。
(中略)
画像の動きが速いということは、言い換えれば伝送に要する情報量が非常に大きいということになる。光ファイバーを使った幾つかの番組送信実験の結果からも、画像の動きが速く、そのために情報量の多いコンテンツほど安定した伝送がうまく行かないという結果が出ている。
映画、音楽、スポーツが三大キラーコンテンツであると言われながら、IP放送のラインナップにスポーツチャンネルが少ないのはそのためである。もちろん、あまり動きの激しくないスポーツであれば、安定的な映像を提供できるわけだが、そればかりを24時間放送し続けるわけにもいかない。